炎上は身も社会も滅ぼす|SNS依存とエコーチェンバー効果・社会の分断を解説


はじめに

今回は普段の技術系の記事ではなく、どちらかというと社会系の記事になっている。(個人的な趣味の領域)
SNSは、今や生活の一部になっている。情報をシェアしたり、友達とコミュニケーションを取ったりするのには便利だ。
しかし、その一方でSNSが社会の分断を深めている」という声も多い。これには、人間の根本的な本質や心理的な欲求が大きく関係している。

SNS依存とエコーチェンバー効果の相互作用

X(旧Twitter)では、「いいね」やリツイート、リプライで他人から承認を得られることが多い。これにより、自分の考えや思想が肯定されているような気分になり、とても居心地が良くなる。
承認欲求をより求めるようになった結果、SNS依存症が発症しやすい環境が作られる。

そうしてSNSのヘビーユーザー(ツイ廃)に近づいてくると、どうしても自分と似た意見・思想を持っている人たちとつながりやすくなる。
似たような意見ばかりが反響し、自分の中で、自身の考えが正しいという認識がどんどん強まっていき疑いを持たなくなる。これが「エコーチェンバー効果」と呼ばれる現象である。

人は自分の考えが正しいと感じたいものであり、この現象に陥りやすい。結果として、違う意見には耳をふさぎがちになり、 その結果、次第に自分にとって都合の良い情報や意見に合う投稿ばかりを見てしまい、視野が狭くなる。そして、自分の周りには同じ考えを持つ人が増え、情報が一辺倒になり、それがまるで常識のように感じられてしまう。
こうした環境では、異なる意見が非常に見えづらくなり、結果として社会全体の対立や分断が深まる。

炎上は身も社会も滅ぼす

特定のジャンルや著名人の情報が急速に広まると、誤解や偏見が生まれやすい。
そして、誤解や偏見のもと発信した内容が批判の的となり「炎上」することもある。炎上すれば下手をすればアンチに過去の発言を引用して重箱の隅をつつかれたり、場合によっては個人情報を特定、晒されたり等、まさに身を滅ぼしてしまう。
しかし、炎上というのはそれだけでは終わらない。炎上すると誤解や偏見、悪意を持ったデマ等、過激な発言が飛び交う。そしてそれを真実だと思い込んでしまう人も少なからず存在する。 そういった人達が「エコーチェンバー効果」に陥りやすく、SNS上での対立が始まり、炎上をきっかけに分断が深まっていくケースは数多く存在する。まさに身も社会も炎上し滅ぶのだ。

さらに、Xのアルゴリズムユーザーの興味を引く話題を優先的に表示するように設計されているため、同じ意見ばかりが目につくようになる。
この「エコーチェンバー効果」がコミュニティの対立、社会の分断をさらに深める要因となっている。

また、SNSでは匿名での発言が簡単にできる。
このため、普段は言えないような過激で批判的な意見が出やすくなり、責任感のない発言が増える。こうしたやり取りが、コミュニティ間の対立や社会の分断をより一層助長している。

SNSに求められる人としての在り方

共感と多様性の尊重

SNSでは、他者への共感と多様性の尊重が何よりも重要だ。異なる意見や背景を持つ人達を否定・対立するのではなく、まずは対話し、意見の違いを受け入れることが求められる。
人間は本来、他者とつながりを求める存在であり、違いを理解し合いながら共に生きていくことが大切だ。平和なSNS・社会は人々の協調する努力によって初めて成り立つ。

デジタルデトックスの重要性

SNS依存症にならないように、SNS影響を最小限に抑えるためには、定期的な「デジタルデトックスをするのがおすすめだ。
リアルな友人との交流や外での活動、自然とのふれあい、好きな場所に出かけるなどのリアルな体験を大切にすることで、SNSの影響を減らし、狭まっていた視野を再び広げて他者の考えに理解を広げるきっかけにもなり、結果として、心と体の健康を保つことに繋がるだろう。

まとめ

SNS現代社会で欠かせない存在だが、その使い方次第で社会の分断を深めてしまう危険性もある。情報の真偽を確認する習慣をつけ、感情的にならずに冷静な態度で対話を続けることが重要だ。
そして自分の発言・行動がSNSを利用しているユーザー達にどのような影響を与えるかを理解することが何よりも大切だ。
相手への思いやりや多様性の尊重を忘れないように意識しながら、SNSを使っていきたい。

参考文献